第4話

そんな幸代に、




「もー、おねーちゃん、仕事帰りの旦那様をもっと笑顔で迎えなきゃー。ほら、モア・スマイルー」




と、幸江ちゃん。




幸代は、というと、




面白いカオをして、幸江ちゃんを見ている。




ホントに、コイツはわかりやすい。





そんなことを思ってリビングに向かうと、




「っていうか臣くん、スーツ姿マジ最高ー」




誰かと似たような事を言う、幸江ちゃん。





「幸江的ベスト・オブ・スーツニスト一般の部、受賞確実ーっていうか、最優秀賞じゅしょー決定でー、臣くん受賞の喜びの言葉をどーぞ」



「ありがたく辞退させてもらうよ」



「えーっ、臣くん超謙虚ーっ!じゃー、辞退した今の気持ちをどーぞ」



「腹減った」



「マジー?じゃあ、おねーちゃん、そんな謙虚で空腹な臣くんに早く夕食どーぞ」




口調は全く違うけど、言ってることは誰かさんが言いそうな事だな。




―…そして、



そんな幸江ちゃんに、振り回されている誰かさん。




とりあえず、見物しておこう。

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