第3話

化粧の系統は全く違うけど、やはり姉妹でどことなく似てはいる。




―…それにしても、



幸江ちゃんが来るという話は記憶にない……




ああ、でも、



確か、希望大学に合格したという話を聞いた気がするし、



入学前の休みを使って、遊びにでも来たのだろう、




そう思って、




「ただいま……」




何時もとは違う出迎えの様子を見てみることにする。





「もー、臣くんアタシだよー、おねーちゃんの可愛い妹の幸江だよーおひさー」




相変わらず、若いだけあって元気な幸代の妹。



会うのは幸代の実家に結婚の挨拶をしに行った時以来か―…





「……ああ、幸江ちゃん、ひさしぶり。幸代が化粧でも変えたかと思ったよ」



「臣くん、何それーっ!マジ派?ジョーダン派?」



「冗談派」



「えーっ、臣くんでも冗談言うんだーっ!マジ、超レア」



「それはどーも」



「それではドーゾ」




そんな会話を幸江ちゃんと交わしてから、幸代を見ると、




「お、おかえり……なさい」




疲れきっている幸代の姿。

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