第63話

「なっ……俺のこと、覚えてたんすか……?」




「はあ?忘れる訳ねぇだろ。あ、それと野村!お前もなかなか良い動きしてたな。私を錯乱するのが上手くなった。ちょっとヤバかったわー。宮田は前より俊敏になったな。やっぱスピード重視か。あ、それと………」





そうして次々と名前を挙げて褒め言葉を並べていく私に唖然としている面々。それに内心首を傾げつつも、やがてここにいる全員の名前を言い終える。





「……華、相変わらず強いね」




「そーかぁ?身体鈍った気ぃするけどなー」




「……全然そんなことない」





ふわりと微笑んで私を見るチビニャンコに胸がキュンとする。だから可愛すぎるんだよお前はよ。




あ、ちなみにこいつ私が喧嘩してる間もずっと側にいたよ。器用に攻撃避けて半径三メートル以内にいたよ。どんだけ離れたくなかったんだよ。私大好きかよ。





…………




……………あ、自分から言っといてアレだけど私の方が恥ずかしいわ。





ちょっぴり頬を赤く染めた私と天然タラシなチビニャンコを見て苦笑する変態ノッポ。

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