第64話

「華さん……」





先程の殺伐とした空気はどこへいったのか、辺りには沈黙が訪れていた。急に黙りこくってどうしたんだお前ら。




私の名を呼ぶ声があちらこちらから聞こえ、それに「なんだよ」とぶっきらぼうに返事すると……何故か皆号泣した。




な、なんだ!?私なんかしたか!?あ、あれか!私が殴ったとこが痛いとか……いやいや私殴ってねぇよ!攻撃全部避けてただけだよ!





「うっ……うぅぅぅ……はなさぁぁぁぁん!!」




「華さん……俺らのこと忘れてどっか行ったんじゃなかったんすね!?」




「どこ探してもいないんっすもん!心配かけないで下さいよぉぉぉっ!!」




「華さん!俺ら怒ってるんすからね!?またどっかフラッといなくなったかと思ったら行方不明って!もぉぉぉぉぉ!!」





うおおおおぉぉぉうっっ!!と気持ち悪いくらい声を揃えて男泣きするのを今度は私が唖然と見ていた。




えっ………えっ?





心配してたから怒ってる……のか?

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