第61話

私を見て硬直する面々。それを一瞥して苦笑を漏らす変態ノッポ。チビニャンコは無言で、離れていった私の側に来て離れない。




どれほどそんな状態が続いたのだろう。




誰かが息を飲んだ音が聞こえたと思ったら、瞬時に何かが飛んできた。





「うおっ……と」





間一髪それを避ける。





「いきなり殴りかかるなよなー」





んっとにもう血の気が多いんだから。そんなにケンカしてぇのかよお前らはよ。




……いや、違ぇか。




あいつらのあの目……超怒ってる。




ただ単にケンカを楽しみたいんじゃないってことは嫌でも分かった。





殴りかかってきた男はそれを軽い動作で避けた私に舌打ちし、瞬時に回し蹴りを放つ。それを避けようとするも背後で私に殺気を飛ばすやつが数名いることを肌で感じ取り、気配を辿ったところで空を切る音が聞こえた。




避けようとした体勢を崩し、回し蹴りを放った男の足を片腕で受け止めて背後から繰り出される拳をもう片方の手でいなす。




それらを皮切りに、皆一斉に私に攻撃しだした。

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