第60話

「おいおい木下クーン?ここの2トップに対して失礼すぎやしねぇか?」




「あわわわすいませんすいませんっ!!」




「どうした木下ー……って、紫野さん!?お帰りっす!」




「おいてめぇら!紫野さん達が帰って来たぞー!!」





なかなか失礼な木下ににこやかに返事をする変態ノッポ。失礼なことを言われてるのにあの笑顔。ほんっと、身内にだけは激甘なんだから。




…………私が言えることじゃねぇか。





それから続々と中にいたやつらが顔を出してきて、変態ノッポとチビニャンコを出迎える。




チビニャンコの抱擁から解放されたところでようやく私の存在に気付く者が。そいつはこれでもかと目を見開き、私を凝視している。




それに気付いた周りのやつらもそいつの視線の先を辿り私と目が合うとこれまた目を見開いた。やがて騒がしかったこの場所に妙な静寂が広がる。




チビニャンコと変態ノッポから離れてひょっこり顔を出し、「よっお前ら!久しぶりー」とあくまでいつも通りの態度を見せる。





「は……華、さん……?」





誰かが震える声で私の名を呟いた。

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