第58話

「てゆーか、俺との抱擁はないわけー?どうせすぐに嫌っつーほどあいつらに揉みくちゃにされるんだからさ、俺も野良猫ちゃん独り占めしたーい」




「お前はなんか嫌だ」




「え、まさかの拒絶!?俺泣いちゃうよー」




「どうせ私の匂い嗅ぐつもりだろ変態」




「ちぇ、バレたか」





油断も隙もねぇなこの野郎。





変態ノッポをギンッと睨みつけている私を守るように再びぎゅうっと抱き締めてくるチビニャンコ。その目は変態ノッポを射殺さんばかりに睨んでいる。





「……変態……巣へ帰れ」




「ここが俺の巣だもーん」




「……変態……天へ還れ」




「えっ?死ねってこと?」




「……変態……地獄に落ちろ」




「アッ、なんか今心がボッキリ折れたよ?俺の心が天に召されちゃうよ?仮にも総長にそんなこと言わないであげてよくーちゃん」




「……くーちゃん言うな」




「ははっ、お前マジで野良猫ちゃん以外のやつには口下手なのなー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る