第50話

やっと喋ったと思ったら待ての二文字だけって……おいおい幸さん、私は犬か何かか?ペットじゃねーよ私はよ。




変態ノッポよりも綺麗な金髪をさらりと揺らし、私をじっと睨んで……いや、見つめている。




……なんか、こいつの目ってすごい引き込まれるな。




じっと見つめられるとその気持ちが更に増幅される。




弦ほどではないにしろ人相が悪いから睨まれてると捉えてしまいそうだがあれは睨んでなんかない。なんか、こう……探るような、見極めるような目だな。





「そいつら、誰だ」




「さっき紹介したじゃん」




「そいつらとの関係は」




「ダチですけど何かー?」




「探してた、ってどういうことだ」




「さぁ?私は知らん」





えー……まさか今質問攻めされるとは思ってなかったわー。




言っとくけど、嘘は言ってねぇよ。本当のことも言ってないけど。





へらりと笑みを浮かべる私とは対照的に無表情を貫く幸。まだ納得してねぇって顔してるなぁ。このままじゃ逃がしてくれなさそうだ。





あーあ。私の悪い癖だなぁ。




少しくらい分かりやすい線引きしとかないと、駄目だよね。









どうせそう遠くない未来で私は白龍からいなくなるんだから。

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