第49話

あー、うん。だよな。




久々の再会で積もる話もあるし、ここじゃ話せないことも多いし、何より白龍のやつら警戒してるし。自分達のテリトリーに土足で踏み込まれたら誰だってそうなるか。




私の知り合いって言っても警戒を解かない様子から察するに、今ここから離れてもあとで質問攻めが待ってるに違いない。それか、千里と輝あたりは私の知らないとこで勝手に情報集めそうだな。




経験上、その考えには自信がある。





……まあいいか。質問攻めされても答えれることなんてないに等しい。上手い言い訳考えとこ。




それに、千里や輝がどれだけ頑張って情報収集しても得られるものは何もない。言い方は悪いけど、たかが白龍に情報を横取りされるほどこいつらは間抜けじゃねぇからな。




うん。何も問題ない。





「悪いな。こいつら、私のこと探してたみたいでさ。他のダチも探してるみたいだから、ちょっくら行ってくるわ」




「探してた、とはどういう……あ、華さん!」





輝の声を無視して踵を返しチビニャンコと変態ノッポを連れて倉庫を出ようとする。だが、こいつらが来てから一度も声を出していなかったやつの声に引き留められた。





「……待て」

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