第45話

白龍の面々が何か言いたげにこちらを見る中、私は二人をじろりと睨む。





「で?なんでお前らがここにいるんだ?」





睨まれてるというのにへらへらと笑う変態ノッポ。それは決して千里のような胡散臭い笑みではなく、どこか安心したような、そして何故か呆れたような笑みだった。





「あのねぇ、オレら野良猫ちゃんを探しにわざわざここまで来たんだよ?睨まれる筋合いないって」




「はぁ?なんでお前らが私を探すんだよ」




「オレらだけじゃない。ワンコくんもウサギくんもゴリラくんも、他のやつらだってお前を探してる」




「はああ?ますます意味が分からん……」




「………華。意味がわからん、はこっちの台詞。いきなり行方不明になったら心配するに決まってる」




「…………え?」




「どうして、何も言わないで僕達の前から姿を消したの?」





いつもあまりしゃべることのないチビニャンコが饒舌になっている。びっくりした。そんで私が行方不明扱いされてたことにもびっくりした。





「行方をくらましたつもりは全くないんだけど」

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