第43話

聞いたことがあるよーな、って思ったらまさかの知人。そりゃ聞いたことあるよ。聞き馴染んでるよ。馬鹿か私は。どうして忘れてたんだ、こいつらの存在を!




目的の人物がいないと判断したらしい二人は倉庫の入り口に向かって歩いていく。




白龍幹部達が二人を呼び止めるもガン無視され、下っぱ達は揃いも揃ってヤジを飛ばしている。自分達の憧れの的である幹部連中を無視したことや勝手に倉庫に入ってきたことやその他諸々もあって今にも殴りかかりそうだ。




そしてとうとう数人が殴りかかろうとしたまさにそのとき、そいつらを制止してゆったりと歩いていく。











「よーうお前ら。久しぶりだな」





私の声にびくっと反応し、勢いよくこちらを振り返る二人。




一人は驚愕の表情、もう一人はゆるりと口角を上げた。





「…………華……!」




「あらら~。また無駄足になったと思ったら、こーんな場所にいたんだねぇ……野良猫ちゃん」

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