第38話
ニコニコニコニコ。
お互いに綺麗に作った笑顔で無言が続く。
いつまでもこうしてても埒が明かないし、そろそろ料理作って蓮のとこ戻らないとな。今頃お腹空かせてるだろうし……って、かなり菓子食ってたからそうでもないか?
やばい。蓮の胃袋事情が昔とは180度違ってて理解できねぇ。成長期だからかな。きっとそうだ。
「もしかしなくても、わざわざ私に料理作らせようとしたのってソレを確かめるためだったのか?」
「んー、まあね。二人きりの方がなにかと都合が良いでしょ?」
「ご親切にどうも。ならさっさと戻れよ。そこにいても邪魔なだけだ」
「きっぱりすっぱり言うねー」
何が面白いのかケラケラ笑う千里を無視して再び冷蔵庫を開ける。と、そこでようやく千里はこの部屋から出ようとして扉を開けた。
「---て………だろ!」
「……でも、---って………」
扉を開けたことによりこの部屋の外の声が漏れてくる。
千里が扉を閉める直前までその声をなんとなく聞いていたら、耳を疑う言葉が飛び交っているのに気付いた。
「おい、奏さんの後ろにいるやつら誰だよ!?」
「俺が知るか!てか、奏さんも知らねぇっぽいぞ。あとをつけられてたみたいで、めっちゃ怒ってた」
「まさか敵襲か!?」
「いや、それにしちゃあ殺気も何もない気がするけど……」
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