第32話

最近分かったことだけど、幸って基本いつでも寝れるんだよね。唐突に寝息聞こえるのって凄いよ。まあ私も授業中とかよく寝るんだけどさ。あ、他人のこと言えねぇわ。




おかしいな。勉強のために学校に通ってるはずなのに結局逃げちゃってるわ。うーん、幼いころからの習慣はそう簡単に直せないな。





「あと一時間待ちましょう。それで倉庫に帰って来なかった場合は調べてみます」





輝はどうしても不安が拭えないらしい。最終的にそう言ってパソコンを弄りだした。多分奏のこととは別に調べることがあるんだろう。邪魔したくないから話しかけないようにしよう。




ふと目の前を見てみると蓮は12個入りチョコの2袋目を見事に平らげていた。本当にこいつ私の弟か?私あんなに食えんぞ。しかも甘い菓子だし。私は無理だ。きっと1個目でダウンするだろう。





「さーて飯食おっと」




「…………は!?」




「ん?なんだ華」




「いや、なんでもない………」





おい待て。今さっき散々菓子食っただろーが。それとは別でソッコー飯食うのかよ。お前胃袋大丈夫か。




ソファから立ち上がりキッチンのある部屋に行こうとする蓮を意外な人物が止めた。





「ちょーっと待った蓮クン」

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