第31話
いや、無条件に信頼するってのはないな。
それはまず有り得ねぇ。知り合ってまだ数ヵ月の輩を無条件に信じることはできない。ってことは、前者か。私は奏の実力を把握してるからあまり心配してないのか。
それなら……うん、納得。
「あんまり思い詰めるのはどうかと思うぜ。案外、下らないことに巻き込まれただけかもしんねぇし」
そう言った私にいくつか視線が集まる。
「あー確かに。それも有り得るよねぇ」
「あの馬鹿ならありそうだな」
「ですが、そうと決め付けて油断してはいけません。万が一のことがあれば……」
「輝ー、心配しすぎだって!華っちの言うことも一理あんじゃん!お前はもう少し肩の力抜けよなー」
「お前副総長のくせに頭緩すぎんだよ。もうちょっとしっかり考えろよな。……っつっても、本当にたいしたことないと思うけどな」
「レンレンも頭固すぎー。副総長だって気楽に考えたいってー」
うんうん、それは私も同意見だ。蓮も輝も頭固いって。んな毎回毎回問題起きるわけじゃねぇだろ。
でもさ、昴。おい副総長。お前がそんなゆるっゆるで大丈夫かよ。しっかりしろ白龍No.2。
よくもまぁこんなんを副にしたな幸は……と思ってそっちを見たら、ビールを手に持ったまま目を瞑ってる。すうすう息が聞こえる。
……あれ。もしかしなくても寝てる?総長サマお寝んねタイム?このタイミングで?しっかりしろよ白龍No.1。
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