第28話
倉庫に向かうべく方向転換しバイクを走らせる。
けど、本日2度目の探るような視線が向けられてることに気づいた。
……またか。懲りないなぁ。
バイクを唸らせ、再びその視線から逃れるためにバイクを走らせた。
「なぁ、やっぱりアイツ白龍の相楽 奏じゃない?」
「…………ん」
物影に隠れてバイクに股がっている怪しい人物が二人、ハイスピードで走行する少年を目で追いながら会話していた。
「情報が少な過ぎんだよなぁ。相楽 奏に接触してハズレだったら、まーたイチから探さなきゃならねぇしよ」
「…………接触してみる価値は、ある」
「そーねぇ。ったく、あの野良猫ちゃんったら。今度はどこに行ったのかねぇ。あっちにフラフラこっちにフラフラ、探すこっちの身にもなってほしいよ」
「…………あの子の悪口言うな」
「へーへー。お前はホントに野良猫ちゃん大好きだねぇ」
ブォン!と2台のバイクのエンジンが鳴る。
「とりあえず、ダメ元でいってみるかー」
「…………早く会いたい」
物影から姿を表した2台のバイクは、ショッキングピンクの目立つバイクの向かった方向へ勢いよく走り出した。
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