第24話

「ち、違うって……?」





あまりの剣幕にちょっとびっくりして半歩後退しつつ聞いた。




さっきのあの反応はどう考えても一目惚れした女のそれだったけど……違うの?




目の前の少女は胸元が露になってるのも構わずに僕の両肩を掴む手に力を入れる。




女の非力な力なんてたかが知れてる……と思いきや物凄い力だ。ちょっと、痛いんですけど。怪我したら訴えてやるかんね。




ぐぐっと僕の顔に自身の真剣な顔を近づける。





「あの人に一目惚れとか、あああ有り得ません!!異性ならともかく、同性に一目惚れなんてしませんから!!」





え……ど、同性?




女がこの子を助けたの?





「確かにあの人はとてもカッコ良かったです!颯爽と表れて男の人達から私を守って下さって、しかもそのとき友達とはぐれてしまったことを話したら一緒に友達を探して下さいました!でも、あの人はどこからどう見ても私と同じ女性でした!……そう……女性……でした……」





最後は物凄くか細い声になった。胸に手を当てながらどんよりオーラが出ている。




真っ平らな胸に、手を当てながら。





……




…………





そこには何も突っ込まないであげよう。

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