第22話
『白龍』という単語を出したら、男達は1拍置いてから驚愕の表情になり、顔をさらに青ざめた。
余所者じゃない限りここらで白龍を知らないやつはいないからね。
これでもう分かったでしょ。
自分達が、誰に喧嘩売ったのか。
「あ……あんた………まさか、銀獅子……!?」
「嘘だろ……俺らが敵う相手じゃねぇよ!」
「おい、行くぞ!」
白龍の名前を出した途端にこの変わりよう。見てて面白いよね。
男達は僕とは視線を合わさずに女を襲うことも諦めたようで僕が怪我を負わせた場所を庇いながら急いでこの場から離れていった。
雑魚は逃げ足速いねぇ。
「全く……白龍の縄張りで馬鹿なことしないでほしいよ」
最近はあんまりそういうの見掛けなかったけど、やっぱりやるやつはやるんだね。
昔よりは大分マシになったけど、まだまだ治安悪いなぁ。もっと頑張らないと。
パトロール強化しなきゃ。
「あ……あの……」
「あんた、大丈夫?」
「は、はい……助けて頂いて、ありがとうございます」
服は破られてあちこち掠り傷っぽいものが見えて、見た目はちょっとヤバイけど大した怪我はしてないみたいだ。良かった。
けど。
「なんでアンタはこんなところに来たわけ?」
ここに来た訳も、そんなになってまでここに留まった理由も、まだ聞いてない。
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