第17話
今日は和菓子の気分。一番に和菓子の店に行こ。
そうやって勝手に決めたら蓮が怒るかなーと一瞬思ったけど、ムカつくくらい蓮とはシンクロするから多分蓮も和菓子の気分だろうと思いいたった。
赤信号になりバイクを一時停止する。
そのとき、背後から視線を感じて少しだけ後ろを振り返った。
いつものミーハーな女どもの熱い視線じゃない。
敵が向ける敵意や悪意とも違う。
どこか探るような……見定めるような視線に近い。
でも背後にそれらしき人物は見当たらない。
どこに隠れてるのか知らないけど、探るような目で見られるのは好きじゃないんだよなぁ。僕の美貌に魅入ったなら存分に堪能しなって言いたいとこだけどね。
顔を前に向けるとちょうど青になったため発進する。
それでもその探るような視線は消えない。
………はぁ。面倒くさいなぁ。でも仕方ない。
ブォンッとエンジンを唸らせて一気にスピードを出す。千里ほど馬鹿みたいな速さではないけど、普通の人なら追い付けないほどの速さで車の合間を縫って走らせる。
そしたらようやくその視線は刺さらなくなった。
どこの誰かは知らないけど、残念だったね。大方白龍に所属してる人間を偵察しに来たとかそんなとこだろう。
そんな簡単に情報を掴ませるほど白龍は馬鹿じゃないんだよ。
ナメないでよね。
エンジンを唸らせながらスイスイと車を避けて倉庫へと急ぐ。万が一のことも考えて少し遠回りして。
だがふと視界に入った光景にバイクのスピードを緩めてしまう。
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