第16話

《奏side》





テストの結果を見て撃沈してる華を教室に残して一人駐輪場に向かう。




いやぁ、あの点数にはびっくりしたよ。




白龍で1、2を争うほど頭の悪い僕ですらギリギリ全教科赤点回避したっていうのに、華は見事にオール一桁なんだもん。当然夏休みは補習。哀れ、華。




白龍1馬鹿なのは間違いなく華って証明されちゃったね。可哀想に。





そういう僕も輝に頼み倒してスパルタ勉強会してもらったおかげで赤点回避したんだけどね。それがなかったら人のこと言えない点数叩き出してたけどね。




華は中学行ってなかったらしいし、そのせいで馬鹿なんだろうなぁ。……あれ。そう考えたら中学きちんと行ってたくせに勉強ができない僕はかなりやばいんじゃ……




うん、よし。考えない考えない。






下駄箱を通って駐輪場に行き、かなり目立つ自分のバイクを取り出して跨がる。




これ特注なんだよね。店の人に無理言って可愛く派手にしてもらったやつだ。すっごいお気に入り。




ショッキングピンクのヘルメットを被ってエンジンを唸らせ、学校を出る。




千里みたいにスピード狂じゃない僕はほどほどの速さで倉庫へと向かう。





今日は蓮と一緒にスイーツ専門店巡りする予定だ。いつもは喧嘩してばっかな僕達だけど、こういうときだけは気が合うんだよね。




華とも一緒に行きたいなぁ。あ、でも華は甘いもの苦手だっけ。残念。でも約束のマフィンは絶対付き合わせるけどね。

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