第14話
よし、蓮もやる気になったことだし。残りのやつらも僅かしかいないし。ここらで今日は終いにしとくか。
「今日の特訓はここまで!またいつでも仕掛けてきな。相手してやる」
全身から一気に力が抜けて座り込むやつ、もっと特訓してほしいとせがむやつ、ありがとうございました!と勢いよく頭を下げてお礼を言うやつ、様々な反応が帰ってくる。それらに適当に返事して医務室に向かった。
救急箱を持って再び白龍メンバーの集う場所へと戻り、手当てをしてやる。
「受け身くらいとれるようにしろよなーお前ら」
「いやいやいやあれは受け身とれねぇって!!」
「瞬殺じゃねぇっすか!」
「華さんパネェ……」
加減はしたぞ。一応。……とは言わないでおこう。
すんごい今更気づいたけど、女で強いって異常だもんな。どこから黒華の情報が漏れるか分からないからボロを出さないために口を閉じる。
そうして手当てしながら白龍メンバーと談笑していたとき、ようやく痛みが引いたのか私のもとに寄ってきた蓮が悔しそうに私を見る。
「なんでそんなに強いんだよ……俺、一応幹部なのに手も足もでなかった」
「世の中そういうこともあるさ」
「……納得いかねぇ」
「悔しいなら実力で示せ」
一通り手当てし終えたので最後に蓮も手当てしてやる。私が回し蹴りして床に転がったときにできた傷にコットンを優しめに押し当てる。血が滲む傷口に消毒液が染みたのか若干涙目だ。
と、そのときちょうど幹部室から誰かが出てきた。
「おや、今日も特訓してたんですか」
「あ、輝」
「輝さん!」
幹部室の扉を閉めてこちらに歩み寄ってくる輝。
白龍の参謀サマがいらっしゃった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます