第12話
バイクを倉庫近くの駐車場に停めて、いつもと同じく倉庫の入り口から堂々と入っていく。
今日は蓮やその他の白龍メンバーが入った途端に待ち伏せていたので早速特訓開始。
白龍メンバーのほとんどは相変わらず単調な動き。俊敏じゃないし拳もそんな重くない。そんなんじゃ一撃で敵を沈めれないぞ。
てか、皆すごいな。学校は皆バラバラだけど、この時期はどこもテスト期間なのにこうして自ら進んで特訓に取り組んでるなんて。私なら勉強しただけで頭パンクしそう。
まあでも今はテストのことを頭から消し去りたいからこうして身体を動かしてる訳だけども。
「ほら宮田!脇が甘い!前も注意しただろーが!」
「は、はいっ!」
「田中ぁ!背中がら空きだぞ!もっと警戒しろ!」
「はいぃ!!」
「それと蓮!……お前は体力作りから始めような」
「なんでだよ!!」
周りから飛んでくる拳や足を余裕でかわし、いなし、逆に重い一撃を繰り出す。
呻き声を上げて倒れ伏す者が続出する中、蓮を含めた数名はまだ戦える様子。
けど蓮は腕はいいけど体力がもたない。これは前から思ってたことだ。こいつは体力作ることから始めた方がいい。
……って何度言っても聞かないんだけどね。この馬鹿弟。
「ちまちま体力作りなんてしてられっか!一撃必殺の技を覚えたいんだよ!」
「……お前ね、最初私に体力作るとこから鍛えてほしいっつったの忘れたのか?」
「うぐ……け、けどよぉ、周りのやつは実践で鍛えてるのに自分だけ体力作りとかなんか嫌なんだよ」
そうきたか。ガキめ。
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