第8話

「とっとと仕事しろ変態」と冷めた目で平手打ちしたらぶーぶー文句を言いつつも大人しく仕事をしだした竜。私と弦もそれをサクサク手伝う。





「なぁにが久々だ。毎日家で会ってるだろうが」





私が先程思ってたことをそのまんま口にした弦。




そうだよな。そう思うよな。





「あんまり話せてないもん!休みの日も華ってばどこかに行っちゃうし」





頬を膨らませてむすっとしながらも仕事を着々と終わらせる竜。はじめからそうしろ。





「華ちゃん、どこに行ってるんだ?まさか彼氏とか……」




「違う。溜まり場」





全く見当違いなことを口走った弦にやや咎めるように目を細めてすぐさま否定する。




彼氏なんて生まれてこのかたできたことないっつーの。つか、いらん。面倒くさそう。




……それに、こんな疫病神を好きになる物好きなんていねぇよ。




問題を起こしてばかりなこんなやつのことなんて。





「溜まり場……?それって、不良の溜まり場のことか?」




「おう。弦もちらっと小耳に挟んだ程度には知ってるだろ?私が白龍に入ったって。その溜まり場だよ」





それだけじゃないけどな。




溜まり場以外にもちょいちょい出入りしてるとこがあるけど、それはまあ置いておこう。

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