第6話
「また倉庫でなー」と手を振り、理事長室へと向かう。
竜のやつ、大人しく理事長室にいればいいが。というか私が見張らなくともきちんと仕事しろよな。弦にまで迷惑かけて。一番年上なくせに駄目な大人ぶりを発揮してんじゃねぇよ。
しかも会ったら会ったで私にべったりくっつくし。でも弦が言うには私がいないと一向に仕事をしないらしいからな。どうしたものか。
どうやって真面目に仕事させようか割りと本気で考えてたらいつの間にか理事長室の前まで来ていた。気づかなかった。
……考えるのやめよ。面倒くさくなってきた。
ひっついてくるのは毎度のことだ。最悪、脅して仕事させればいいか。
面倒になって考えることを放棄し、扉を開く。
「は・な・ちゃあーーーんっ!!」
「いきなり抱き付くな変態!」
唐突に私に向かってタックルしてきたそいつ。いてぇよ馬鹿!締め付けられてる身体がミシミシいってんじゃねぇか!
がしっと顔面を鷲掴みして指に力を入れる。
「あああ~~~~華との久々のアツい抱擁だぁ~!!華不足で死んじゃうよぉ~っ!!」
「とっととくたばれ変態が!!」
「罵られるのも久々な気がするー!それさえも嬉しいっ!」
末期かよ。
久々っつっても、家に帰ったら普通に顔会わせるだろ。
学校ではあんまり会わないだけで。
家では毎日顔会わせてるんだから久々もなにもないと思うんだけど。言葉のチョイスおかしいぞ。
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