少し乱暴にシャツのボタンを外し、はだけた鎖骨の上に唇を移動してペロリとなめる。
「そこ、…嫌っ…」
「嫌、じゃないだろ?…声、甘くなった」
「…っ」
俺は片方の肩を掴んで動けないようにしてから、本格的に鎖骨への愛撫を始める。
唇と、舌と、歯。
文親の身体に俺の体を重ねるようにして、強弱をつけてそこだけを責めると。
俺の身体の下で彼が震えてくるのが分かる。
「…いいみたいだな」
「や…だ…っ」
「うーそっ。身体ビクンビクン跳ねてるし。どっか、硬くなってるし」
まだ、二人とも、着衣のままなのに。まあ、『どっか』に関しちゃ、俺も人の事は言えないが。
「痛てっ!…また殴ったっ!」
今度は後頭部。
俺の下では文親が耳まで赤くして、怒りモード全開になっている。
「この、スケベっ…馬鹿…ぁっ…あっ…」
逃れようとして反らす喉に俺は舌を伸ばす。
「逆効果」
今度は片方の手もベッドに抑え付けて。
喉元から下がって、まだ、はだけきっていないシャツの上から乳首に喰らいつくと。
「くっ…ぅ…んんっ…、…つや、…龍哉っ」
悲鳴のような声が、途中から半泣きになる。
「…めて、…やめて…」
「やめない」
胸の位置から見上げてやる。
ガキの頃から嫌われ続けた三白眼だが、どうやら文親はセックス中の俺のこの眼に弱いらしい。
文親の身体から力が抜けるのが分かる。
それを良いことに俺は胸への悪戯を続ける。
優しく含み直して、転がし、時折、歯を立てる。
片方の肩を掴んでいた手を離しても、もう文親は抵抗しない。
「ん…ぅっ…、…あっ…」
自由になった腕を伸ばし、指先を俺の髪の中に遊ばせる文親は苦し気だが、快感が上回ってきているのか、軽く眼を閉じて甘い吐息が零れて。その風情が恐ろしいほどに美しい。反った喉元と
「泣かないで…悪かったよ」
俺の腕の中で泣くあんたが凄く綺麗だから、いつもちょっと意地悪しちゃうんだよな、とはいちいちもう、言わないけれど。
「ごめんな」
そう言って俺は右手を下におろして、文親のスラックスのベルトに手をかける。
「あっ…あっ…」
ベルトを緩めてスラックスの前を
そっと下着の上からそこをなぞる。
「…っ!」
「すっげぇな、鎖骨と胸だけでもう、こんな?…文親兄ちゃんはエロいね~」
「うる…っさ…いっ…」
途切れ途切れの甘い吐息まじりの文句は、無視して。
ブリーフに指を引っ掛けてずり下ろし、そのままスラックスごと引き抜いて、両脚を開かせ、その中心に俺は顔を埋める。
「や、…あっ…あ…っ、刺激っ…つよ、過ぎ……龍哉ぁっ…んっ…」
「イイくせに」
「っ…あっ…、…龍哉ぁ、…お願いっ……」
「そ、だな。意地悪し過ぎは、だめだよな(笑)」
恋人の昂りから口を離してベッドから下り、俺は床に落ちたジャケットの内ポケットから、丸いケースを取り出す。中身は、勿論、クリーム状の潤滑剤だ。そしてそのまま片手で自分のベルトを外し、わざとゆっくりジッパーを下げる。
その微かな“音”に文親が反応する。
強すぎる快感にいつの間にか、きつく閉じていた瞼を薄く開いて、彼の瞳が俺を捕らえる。
欲望に潤んで尚、俺を身体の芯から熱くさせる美しい、魔性の瞳。
「龍哉、…もう…きてっ…」
「ん…じゃあ、その前にもう一回キスさせて」
ベッドに戻り、文親の身体の上をずり上がって、文親に深くキスをする。
「やっ、布、…
「それも、感じる?……可愛い」
「…龍、哉…っ……」
文親の腕が俺の首に絡みつく。
ベッドからほんの少し身体が浮いたその隙間に俺は指を滑り込ませ、潤滑剤ごと中指を慎重に文親の【奥】に進ませる。
「くっ……んぅっ…あっ…」
文親が白い喉を晒して仰け反る。
「…指、増やすぜ、大丈夫だろ?」
文親の耳に唇をつけるようにして囁いて指を増やして後ろを慣らす。
「あっ、龍哉、も…うっ…」
「…仕方ねぇな。息詰めないで、力抜いてろよ…っ」
文親の腰を抱え上げて、下着から抜き出した自分の昂りを当て、恋人の身体に余計なダメージを与えないようにしながら貫いてゆく。
「…ああっ…っ…んん…っ」
「痛く、ないだろ?」
「うんっ…痛く、ないっ…いい、…いいからっ…」
「いいから?」
「動いてって……言ってんだろっ…」
「…了解。俺もそろそろ、限界…」
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