第91話

授業が終わり、疎らに生徒が帰っていくのを横目に見ながら自転車置き場まで行った奏を校門前で待っていた。




奏がチャリで登校してたのはちょっと驚いた。




「お待たせー!」




けど、これはもっと驚いた。



奏が持ってきたのはチャリではなくバイク。しかも花とかリボンとかあちこちに描かれている今だかつて見たことない可愛いピンク色のバイクだ。




「なんか可愛いバイクだね」



「とーぜんでしょ!可愛いものは僕を引き立てるんだから!」




久々に聞くナルシスト発言。だがそれも奏だと納得できちゃうんだよな。




「後ろ乗ってね。ハイ、メット」



「いや、いいよ。奏が被りな」




ピンク色のバイクに似合うショッキングピンクのヘルメットを渡されたが断った。



普段ヘルメットを被らないし、何よりそんなプリプリキュートなヘルメットは被りたくなかった。



「じゃー行こっかー!」




奏のバイクに跨がるとエンジン音が鳴り響く。周りの生徒の注目を集めながら校門から出ていった。

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