第88話
怪我に響かないよう慎重に人質二人を降ろし、黒髪の少年を見やる。
物凄くびっくりした表情だったが、すぐに目の前の敵を見据えた。
「人質がいなきゃこっちのもんだ。お前ら、覚悟はできてんだろうな?」
掠れてるが低い声で牽制する黒髪の少年の威圧にビビる男達。それに構わず拳で黙らせていく。
しばらく見てたが、なかなかのものだった。
人質さえいなきゃケンカは強い方らしい。あっという間に半分以上の敵を倒した。
あの調子だと残りのやつももうすぐで片付けるだろうし、私はもう必要ないな。
男達をぶっ飛ばす直前に投げ出した学生鞄を手に取り、繁華街へと歩を進める。
竜、心配してるかな。……心配してるよな。
早く帰ろう。
予想通りすぐに片付けた黒髪の少年の私に向ける視線に気づかずに、帰路についた。
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