第87話

黒髪の少年に一番近い先頭の男と周辺のやつを軽くぶっ飛ばし、瞬時に辺りをぐるりと見渡す。




気絶してるやつと苦しそうに倒れているやつとそいつらを見張ってる鉄パイプを持った男。間違いない、あいつらが人質だ。





「なっ、なんだこいつ……っ」




「ひっ……い、一瞬で……」





何人もの男を一瞬でぶっ飛ばした私をまるで化け物でも見るかのような目で見てるやつがちらほらいたが、そんなのに構わず一直線に人質のもとへ行く。





「ひっ、く……来るなぁ!」





人質には目もくれず素早く移動する私に鉄パイプをがむしゃらに振り回す見張りの男。




そんな無茶苦茶に振り回しても当たるわけがない。




鉄パイプを持つ腕を掴み急所を一突きして鉄パイプを凪ぎ払い、男を床に転がして人質二人を肩に担いで黒髪の少年の後ろまで走る。




途中何度かナイフで切られそうになったがいなして足技をかけていたらあっという間に黒髪の少年の側まで来ていた。

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