第85話

不良同士のケンカに割って入る気は更々ない。勝手にドンパチやってくれ。





その音を無視して再び歩きはじめる。





が、次の瞬間、一際でかい音が辺りを支配した。






ガシャアアアアン!!





どっかの窓が割れた音だ。派手にやってんなぁ……






あまりにもうるさいため思わず振り返ってみる。





1階の窓が粉々に割れた廃墟からこれまたカラフルな頭の不良達が黒髪の少年に歩みを進めているところだった。





「なぁ、この人数相手に勝てるとか思ってたわけ?」




「…………人質なんて卑怯な真似するようなやつらだったっけ?」





黒髪の少年の声は声変わり中なのか若干掠れてる。




なるほど、人質取られたのか。そりゃ動けないはずだ。そんな卑怯な手段をとる相手のやつらに腹が立つが、私にはなんら関係ないケンカだ。




……ああ、でも……イラつく。




多勢に無勢って時点で十分卑怯だ。最低でも20人はいるぞ。それがよってたかって一人に殴りかかるとか……





いつの間にかその場に立ち止まり、彼らを睨んでいた。

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