第79話

「華ちゃん、ちょっといいか」





帰る仕度をしていると、弦が話しかけてきた。それによりまだ教室に残ってた生徒が皆驚愕した。





「篠センが……ちゃん付けで……!?」




「あんな穏やかな表情初めてみた……!!」





ザワッとしてるが特に気にしないで弦のいる場所まで歩く。




「弦、どしたの?」




「悪いけど、竜に仕事するよう言ってくれねぇか?あの馬鹿またどっかにサボりに行きやがって……校内にいるのは確かなんだがな」




「そっかー。ねぇ弦、放送室ってどこ?」





にっこり微笑んで弦に問う。




不思議そうに私を見つめたが放送室の場所を教えてくれた。私は笑顔を張り付かせたまま放送室に向かう。




放送室は誰もいなかったためピッキングで難なく侵入できた。




あちこちいじって操作の仕方を覚えたあと、マイクテストを行って大きく息を吸い込む。










「あー、あー。1年1組神崎華です。理事長、至急仕事をして下さい。でなければ……一生口きかねぇぞ!!」





最後の一言はめっちゃ大音量でぶっ放した。

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