第72話
「話?」
「うん。あんまり時間は取らないからさ」
「……別に、なんの予定もないからいいけど」
こいつが何故私に話しかけてくるのかがわからない。特にこれといって接点はないし、廊下ですれ違うこともなかった。
少し不思議に思いつつもその男について行った。
「あ、自己紹介まだだったね。俺は八木千里。よろしくね」
そう言ってにっこり微笑む千里。
だけどその瞳には陰りがある。
私はこの瞳を幾度となく見てきた。
「…………よろしく」
千里の目を見ずに私も心にもない言葉を吐き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます