第73話

「で?なんで私は呼び出されたわけ?」





今私達は体育館裏にいる。




そこに向かい合う形で立っている私と千里。





「一目惚れしちゃった」




「…………は?」





唐突にそんなことを言う千里にびくっと反応した。





「初めて会ったあのときからずっと気になってたんだ。俺の彼女になってくんない?」





すました笑顔で言葉をつらつらと並べる千里に少しずつ不機嫌になっていく。




最後の言葉を言い終わった瞬間千里のすぐ横スレスレに拳を飛ばした。





「…………っ!」





背後にある壁に拳はめり込み、それを見た千里は息を飲む。




そして今度は私が口を開いた。






「そんな嘘ついて自分の首絞めるのは止めろ」

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