第66話
ホームルームが終わり、授業が始まる。
昨日と同じで全く理解できない呪文がつらつらと並べられて早くも撃沈。
それを見た隣の席の奏は必死に笑いをこらえていた。
「華ー。どんだけ勉強できないのさ。ぶくくっ」
「うう……あんなの呪文じゃんか……」
2時間目が終わった直後、魂が抜けたような脱け殻状態の私に声をかける奏。まだ笑ってやがる。
「中学行ってなかったからなぁ。いきなり高校の授業内容覚えれるわけないか」
「え?華って小卒なの?」
「一応中学の卒業証書はあるけど、実質そうかな」
「……そっかぁ」
奏はなにかを考えこんだあと、すぐにぱぁっと笑顔になった。
中学行ってないことにびっくりしたのか、はたまた別の理由か。それは私にはわからない。
でも、訳あり人間だってことは感じたのだろう。
「次の授業体育だよ!早く着替えなきゃね!」
それ以上は奏も深く追求せず、話題を変えてくれた。
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