第65話

「華おはよー!遅かったねー。また絡まれたの?」





扉を開けたとたんにぎゅーっと抱きつかれた。この声、奏だな。





「おはよ。うん、二人きりで出掛けようとか授業サボろうとかほざいてた」




「へー。どんな見た目の男?」




「派手なヘアバンドしてて金髪ロングの不細工男」




「おっけー!任せて!」





キラッキラした笑顔でそんなことを言う奏に首を傾げる。




何が任せてなんだろう?





というか、奏の周りに黒いオーラが放たれていたんだけど……





「僕の新しいお気に入りを汚すような輩には身の程を教えてあげないとね」




「おらお前ら!とっとと席つけコラァ!」





ぼそりと何かを呟いていたが、弦が教室に入ってくる音に掻き消された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る