第63話

「ねぇー良いじゃん!遊ぼーよ」





翌日。




今日はバイクで登校してきた。





自転車置き場にバイクをとめて下駄箱まで歩いていく途中でまた絡まれた。





何回絡めば気がすむんだここの馬鹿どもは。





「……悪いけど、他あたって」




「ノリ悪いなぁー。二人きりでどっか行かないって言ったらついてくるのが普通なのに」




「そんな端迷惑な常識知らん」





私の言葉に眉をしかめる目の前の名も知らぬ男子。続けて本音を爆発させる。





「女に絡む時間があるなら勉強しろ。学校は勉強するためにあるんだから、その馬鹿を治せ」




「……っ!このくそアマ……!」





頭に血が登ったのか、女の私に殴りにかかる。





……遅い。遅すぎる。






こんなへなちょこパンチ屁でもない。






私に近付いてくる拳を余裕でかわし、逆に反撃した。





鳩尾に拳をめり込ませ、首を強めにトンすると、相手は気を失った。





弦の教えが役に立ったな。

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