第59話
「見事になんにも変わってないなぁ」
学校を出て街に寄ってみると、昔何度か立ち寄ったときと全く同じ風景が見えてきた。
懐かしいなー。捺達と一緒に初めてクリスマス暴走とやらをしたところだ。
いかにも暴走族!みたいな服着て、バイク走らせてたっけ。……確か、特攻服……だったか?あれカッコ良かったなー。
暴走族の知識を全く知らない私に捺が熱心にあーだこーだ教えてくれてたなぁ。正直ウザかったけど。
さぁっ……と風が通り抜け、腰まである長い黒髪が大きく揺れた。
…………目を閉じれば、捺はもちろん、他の「黒華」の仲間を鮮明に思い出す。
もう、あの心地いい居場所には戻れない。
きっと皆はまた許してくれる。
温かく迎え入れてくれる。
でも、また同じことを繰り返してしまうから。
傷付けるしかできない私は、大切なものからは離れないといけない。
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