第34話

「華、聞いたことない?「白龍」っていう暴走族」




「さあ?そんなにすごいの?」




「そりゃもう有名だよ。ケンカは強いし顔は良いしでファンが多数いて、追っかけまでいるらしいよ。学校にも何回か押し掛けられたことがあったし」






地元からかなり遠いから、全然知らんな。




そんなに有名なのか白龍ってのは。





「ま、私には関係ないね。もう族じゃないし、族と関わる気もない。勉強さえできれば良いもん」




「あははっ、サッパリした性格は相変わらずだよね」




「どーせ冷たい人間だよ私は」




ついっとそっぽを向けば、ぽんっと頭に手を置かれた。





「華は冷たくないよ」





再び竜の方を見ると、太陽のような明るい笑顔で優しく空気を包み込んでくれた。

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