第13話

「華……いつも言ってるけど、総長である華になにかあってからじゃ遅いんだよ?連絡手段を自ら手放してどうするの。もう何回言ってるかな?同じこと言わせないでほしいね」




出た。捺のお説教タイム。





口は笑ってるのに目が笑ってないし、なんか黒いオーラだし、静かに怒る捺はちょっと怖い。





「大体ね、普段から幹部部屋に携帯置きっぱなしなのが駄目なんだよ。盗られたりしたらどうすんの」




「幹部部屋は私の家だから問題ない」




「そーいう問題じゃないって言ってるんだよ。全く、危機管理ができてないなぁうちの総長サマは」




「はあ?意味わからん」





またため息をもらす捺に今度は私が不機嫌になった。





「…………いつも言ってるじゃん。ここでは、女は華だけだよって。みーんな男だよって」




「うん、そうだね」




それが何?と思い捺を見てみるともう怒った様子ではなく何故か呆れた顔になっていた。





「ああ……うん。華はいつもそうだったね……」




もう駄目だこりゃ、と言いたげな目で見てきた。





だから、何?私は女で皆が男だから何?

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