第12話
全員の手当てをしたところで、中断していた腕相撲大会を再開。
「華」
私を呼び捨てで呼ぶ紫の髪の男。私はそっちを振り返る。
「おー捺。おかえりー。買えたか?」
「ただいま。ギリセーフだった。……それにしても」
捺の手にはコンビニ袋。そしてその中には限定モノのアイスが大量にあった。なにがギリセーフだ。思いっきり買ってんじゃねーか。
つーかこの寒い中アイスかよ。頭おかしいんじゃねーのこいつ。
私がそう思ってることなど露知らず、腕相撲大会をして盛り上がっている皆を見て顔をしかめる捺。
「俺がいない間にこんなむさ苦しい大会が開かれてたとはね」
「あー捺いなかったもんなぁ。あ、そうだ。さっき「代蛇」から奇襲あったよ」
さらっと言うと、さらに眉間のシワが深くなった。そしてはぁーと深いため息を溢す。
「だから華……どうして副総長である俺になにも報告しないの」
「捺いなかったし」
「携帯は?」
「幹部部屋に置いてきた」
なんか段々目の色が薄くなっていってるような。終いにはにっこりと笑った。
でも目が笑ってない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます