第14話

「せめて寝るときは鍵をかけようね、華」




最終的にそう言って締めくくった。





捺のお説教はたまに意味不明なんだよな。





「華さーん!捺さーん!腕相撲の決勝戦っすよー!」




仲間の一人が座って煙草を吸ってる私と壁に寄りかかって携帯をいじってる捺に話しかけてきた。





「おー、誰が残ったんだー?」




「綾瀬と原です!」




「よっし、いっちょ乱入してやろう。捺もどお?」




「遠慮しとく」




「んだよ、つれねーなぁ」






捺がこういうことが嫌いなのは知ってるためそれ以上は何も言わなかった。そして宣言通り乱入する私。





腕相撲大会は私の優勝で終わった。






「華さんヒドイっす!俺が優勝したはずなのにっ」




「ははははっ!まだまだだなぁお前ら!」





ぎゃいぎゃい騒ぐ私達を遠くから見守る捺。





「………ふっ。見てて飽きないな」





笑みをこぼす捺に私は気づかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る