第5話
私はふっと笑った。
「…………そっか」
今にも倒れそうな彼を心配そうに見つめるやつらが視界に入った。すでに倒れていてもう立てないのだろう。
…………なるほど。あれが守りたいもの、ね。
「私もあるよ。大切なモノ。もう壊れないように、大切に大切にしてるもの」
私が一度壊してしまったもの。今度こそ守り抜くと決めたもの。
「お前の大切なモノを壊したやつは、誰?」
「……………」
誰とは言わなかった彼だが、視線で訴えていた。
視線の先を辿ると、それは最近「黒華」に入ったばかりのやつだった。
私は目の前の彼を無視してそいつのもとへと歩きだす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます