第11話

その一言でわたしの想いは打ち切られてしまった。


「早く準備しちゃいなさい。お父さんが言ってるんだから仕方ないでしょ」






お父さんの言葉---------





それは、この家の法律。


“絶対”だ。




「はい」




部屋から出ていくお母さんの背中に向かって、わたしは小さく呟いた。







園田家は代々医者の家系だ。


だからわたしも当たり前のように医者になるんだと幼い頃から擦り込まれてきた。


わたしに兄弟はいない。

両親の期待は全てわたしに注がれている。





期待に応えなきゃ、


言うとおりに、しなきゃ---------

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