第70話
若月步生が帰ったあと、綺がデスクに戻ってくる。
「綺、さっき若月さんが来てたよ。」
「え、そうなの!?今日来るなんて知らなかった。」
綺は急いで自分の携帯を見る。
そしてため息を着く。
「若月君からLINE来てた……。」
綺は項垂れて自分のチェアに静かに座った。
「……さっき若月さん俺に謝りに来たよ。」
そう言うと綺は俺の方を向く。
「謝る……?何を?」
綺の何気ない言葉に俺はムッとする。
「あのな、若月さんは俺と汐莉が拗れたの謝りに来たんだよ。」
「あー……そんな事。」
そんな事!?
「渓人と彼女さんが簡単に別れるわけないもの。」
「いやいや、大体綺が若月さんに嘘つかなければこんなことにはならなかったの自覚してんのか?」
「もう何日若月君に会えてないんだろ……。同棲してる渓人にはこの寂しさが分からないよね。」
話聞いてないし。俺は呆れてため息が出た。
綺は周りを振り回す天才だな。
少し若月步生に同情さえする。
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