第62話
アタシは席を立つと隣のリビングへ向かう。
「もしもし、渓人?こんな時間になに。」
『お前どうしてくれるんだよ!』
電話に出るなり渓人は凄い剣幕だった。
「なに?何がっ……」
『汐莉に綺と付き合ってるのかって疑われたんだよ!どうしてくれんだよ……泣きそうだよ、だからこんな役嫌だったんだ。若月さんにも汐莉にも疑われてさ……』
汐莉さんは渓人の彼女。
「あ……ごめん、アタシ嘘だって言うからっ、」
『お前が出てきたら余計ややこしくなるに決まってるだろ。』
渓人は電話の向こうで溜息をつく。
アタシ自身が若月君から逃げようとした代償は、
取り返しのつかないものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます