甘い生活
第42話
――――……
若月君とこんな至近距離なんて心臓がもたない!!
視線なんて合わせられるはずもなくアタシは思わず俯いた。
だけど掴まれた腕はジリジリと痛い。
「綺、君も俺を好きだった?」
彼の静かな声音が頭の上から優しく降ってくるように感じた。
確実に、
アタシの場合は“好きだった”ではなく、
“好き”……なんだけど。
だけど、もうそんな事を言っても何も進む事はない。
若月君は最後までアタシを騙す。
それでいい。
過去の気持ちなんてどうにでも言える。
そこまでしてアタシには良い人間で映っていたいのか謎だけど……。
……でも、
最後にアタシの気持ちだけは言ってしまってもイイかな、と思ってしまった。
彼の担当だけど他部署のスタッフに任せたから会う事なんてないだろうし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます