第39話

「……?なに。」


若月君は不思議そうな表情をする。


不思議なのはこっちだって!


「なんか、今更なにキレイ事言っちゃってるのかな、て。」


「キレイ事?」


「そう、今更だからそんな風に言えるんだ。嬉しかったとか心にもないこと言わないで。」



彼は何処までアタシを突き落せば気が済むの。


だから、

もう、会いたくなかったのに。


結局アタシは若月歩生というこのオトコとの過去から抜け出せないでいる。


もう何年も会っていなかったのに……。


時間なんて、


全然解決してくれない。

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