彼と彼女の事情

第22話

「はい……そうですけど、貴方は?」


若月君は渓人に答える。

ようやくアタシも振り向くとそこには若月君と隣には女性がいた。


そのヒトはとても綺麗なヒトだった。


彼女―――なんだと思った。

もしかしたら彼は結婚しているのかも……まで頭の中を廻った。



「こ、こんばんは若月君。このヒトはか、彼氏なんです。」



「は?」


渓人の間抜けな声が一瞬響く。


渓人は目を泳がして、


「そうなんです、綺がお世話になってます。」



そう言って若月君に微笑んだ。


「……彼氏?」


若月君はそう言ってアタシを見る。


彼は探るようにアタシを見つめた。

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