第15話
彼はアタシに図面を見せると視線を窓に向けた。
ノータイの彼のラフな格好はそれだけで何だか上質に見えた。
大人なのにオトナを感じるアタシは彼と同級生である事が不思議に思えた。
「ありがとうございます。さっそく持ち帰り学校の理事長にもコンタクト取ります。」
「宇川さんは俺の図面見てどう思う?」
「え?」
不意の彼の言葉に驚く。
「君の意見はない?」
若月さんは窓を見たままでそう続ける。
「若月さん……、」
困った、
どうしてそんな事を聞かれるのか。
「そのさん付も他人みたいで好きじゃない。」
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