第8話
一番の心の友、武井理沙子(旧姓、篠原)とは中学からの付き合いで、
高校も大学も同じ学校に通ってきた仲だ。
ちなみに、理沙子も既婚者で、結婚歴は半年。
私と臣くんは結婚してまだ2ヶ月だから、奥様歴は理沙子のほうが少し上。お互いにまだ子どもが出来ていないので、
理沙子の仕事が休みの日には、こうして我が家のマンション(臣クントノ愛ノ巣)でお茶を飲んだりしている。
そんな感じで新妻同士のティータイムを楽しんでいると、
「来るたびに思うけど、凄いね」
と、理沙子が手土産に持ってきたクッキーをつまみながら、
20畳のリビングを見渡して言う。
「えー、何が?」
そんなに凄いものでも置いてあったっけ?
と、私も周囲をぐるりと見渡す。
そんな私に、
「壁」
と、ソファーの後ろの壁を理沙子が指差す。
「?かべ??」
いたって、フツーの壁ですが、と私は首をかしげる。
「いくら新婚でも、そんなに飾ってる家って今時珍しいと思うんだけど」
理沙子が指摘するその場所には、大事に大事にフレームに収められた写真さん達があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます