第9話

なんだ~写真か~




と、思って、私は理沙子に、




「さすが理沙子~このスーツ姿の臣くん素敵でしょ~?!これはね、結納の時の貴重な一枚なの~」




と、解説を始める。




ソファー後ろの壁は、今までの愛の軌跡展示場といっても過言ではない。




知り合ってから今までの写真が何枚、いや、何十枚??も大事に飾ってあるのだ。





その中で、一番大きく引き伸ばして飾ってある写真が、結納時のスーツ姿で煙草をふかしている一枚。




うふふふふ、と、あまりにもの臣くんの素敵なスーツ姿に思わず口が緩んでしまう。




そんな私を理沙子はドン引きした顔をして見ている。




「じゃあ、この写真は何?」




理沙子は壁際によって、次の一枚を指差す。




「あっ、それは、貴重なお風呂上りの髪を乾かす前の写真」



「こっちは?」



「大学の卒業式」



「……うちらと臣くん、大学違うよね?」



「うん。仕方ないから、隠し撮った」




理沙子の質問にニコニコと回答していく私。

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