第2話
どんどん距離が縮まって近づいていくと、男たちは道を塞ぐように立って声を掛けてきた。
「こんばんは、お姉さん」
はい、キター!
_え、なに。なんで声を掛けてきたの……!?
うわぁ、もう囲まれてるし。
こいつ等、行動するの早いなぁ。
「はぁ……」
「えぇ? ノリ悪くない!?」
「その露骨に嫌がる顔も、可愛いねぇ」
いや、うざ。
それにコレが可愛いってコイツ等どうかしてると思う。
ま、ちょうど良いや。
ちょっと締めようかな。
私がどこまで通用するのか試してみたかったし。
「あーらら。黙っちゃった」
「大丈夫、大丈夫。怖くないよ?
ただキミ可愛いからさ、ちょっと一緒に遊びたいなぁって思ってるんだよね」
すると、右後ろにいた男が「どうかな?」と腕を肩に回して来た。
うん。
無理。
整理的に無理。
「お断りします」
そう言って私はニッコリ笑った。
さぁて、どんな顔を見せてくれるかな……?
「あ……?」
おっと、不機嫌になったね。
そりゃ怒るよねー。
キミたちみたいな奴等は。
──と。
悠長にしてる場合じゃないね!
コイツ等から離れなきゃ。
後ろにいるこの人の鳩尾はこの辺かな……。
ドカッ_ 「ぐあっ!」
え……!?
わ、私何もしてないんだけど!?
バキッ_ 「ぎゃぁッ!」
「お前は……!!ヒッ─」 ドカッ_ 「ゔっ!」
す、スゴイ……。
この人だれなんだろう……?
三人の男たちが一瞬で倒れ、代わりに目の前に現れたのは、黒髪をなびかせた男だった。
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